- 商品名にいちばん大きく書かれている「厚さ◯mm」が、快適さの指標ではない理由
- カタログにほぼ書かれないのに使用感を決める表面構造(汗を吸うか/弾くか)という軸
- 長さ173cm・180cm・183cm・200cmの差が、実際にどこで効いてくるか
- 4mm〜15mmまで、やることが決まっている人向けのおすすめ5製品
ヨガマットは、宅トレでもヨガでもストレッチでも、いちばん最初に買う道具です。そしていちばん安く済ませてしまいがちな道具でもあります。
商品ページを開くと、まず目に飛び込んでくるのは「厚さ10mm」「極厚15mm」「痛くない」といった言葉。そのまま「厚いほうが快適そうだ」と選んでしまいたくなります。
ですが結論から言うと、厚さは”快適さ”の指標ではなく、”どの姿勢で床に当たるか”の指標です。厚ければ厚いほど良いわけではなく、やることによっては厚さが確実に邪魔になります。この記事では、mmの正しい読み方を整理したうえで、4mmから15mmまでタイプ別に5製品を比較しました。
やあ、ペンギンのシラベーだよ。ヨガマット選びはね、「①立つ?寝る?→ ②汗をかく?→ ③体は何cm?→ ④持ち出す?」の4つを順に決めるだけで、ほぼ答えが出るんだ。まずは、いちばん誤解されている”厚さ”の話からいこう!
ヨガマット選びで押さえる4つのポイント
① 厚さは「快適さ」ではなく「床に当たる部位」で決める
ヨガマットの厚さは、クッション性と安定性のトレードオフです。厚くすればするほどクッションは増えますが、その分だけ足裏が沈み、床からの手応えが消えます。
立って行う動作を思い浮かべてください。片足立ちのポーズ、スクワット、ランジ——これらは床を踏んだ感触を頼りにバランスを取る動きです。厚いマットの上では、その足裏が沈み込む方向に逃げてしまい、ぐらつきやすくなります。
逆に、床に膝・肘・背骨が直接当たる動きでは話が反対になります。膝立ちのポーズ、腹筋、寝たままのストレッチ、フォームローラー——ここでは薄いマットだと骨が床に当たって痛いという、ごく物理的な問題が起きます。
| 厚さの目安 | 向いている使い方 | 起きやすい不満 |
|---|---|---|
| 4〜6mm | 立位ポーズ中心のヨガ、ピラティス、スタジオへの持ち出し | 膝立ちや仰向けで骨が当たる |
| 8〜10mm | 宅トレ全般、ストレッチ、腹筋・体幹トレ | 片足立ちでややぐらつく |
| 12〜15mm | 寝転び系中心、床への衝撃・音を減らしたい、関節をかばいたい | 立位ポーズは踏ん張りにくい。畳んでも大きい |
「厚さで迷う」というのは、たいていやることが決まっていない状態です。その場合は6mm前後を選んでおくと、立位・寝転び系のどちらにも大きく振れません。逆に、やることがはっきりしている人ほど、4mmや15mmといった極に振ったほうが満足度は高くなります。
② 表面構造で「汗の行き先」が変わる
厚さの次に効いてくるのに、商品ページではほとんど説明されないのがこの軸です。ヨガマットの表面は、大きく2種類に分かれます。
- 汗や水分がマット内部に染み込まない
- 拭くだけで手入れが済み、においがこもりにくい
- ただし表面に汗が乗ると滑る
- Manduka PROシリーズ、NBR系の厚手マットなど
- 表面のわずかな凹凸が水分をつかみ、しっとりグリップが出やすい
- 汗を含むため、乾かす手間はかかる
- 素材によっては使い始めのにおいが出る
- 一般的なTPEマット、PVC発泡マットなど
ここで注意したいのが、「グリップが良い」という評価が条件付きだという点です。たとえばマンドゥカのPROシリーズは、公式が製造過程の油分が表面に残るため新品時は滑ると明記しており、使い始めに塩をまいて拭き上げる「ブレイクイン」を案内しています。つまり届いた日がいちばん滑るマット。レビューの「滑る」「滑らない」が割れているマットは、この工程を経ているかどうかで意見が分かれていることがあります。汗をかく前提なら、クローズドセル+ヨガタオル併用が結局いちばん確実です。
③ 幅と長さは「自分の身長」から逆算する
ヨガマットの標準サイズは幅61cm × 長さ173〜183cmあたりですが、この十数cmの差が意外と効きます。
- 長さ:仰向けや うつ伏せになる種目があるなら、身長+10cm程度が目安。身長170cmの人が長さ173cmのマットに寝ると、頭かかかとのどちらかがはみ出す計算になります
- 幅:61cmは立って行う動作にはまったく困らない幅です。困るのは、腕を横に広げる動き、寝返るように動く種目、床に手をついて足を大きく開く場面。ここで手や足がフローリングに落ちます
| 幅 | 使用感 |
|---|---|
| 60〜61cm(標準) | ヨガ・ピラティスの標準。持ち運びと収納が現実的 |
| 80〜90cm(ワイド) | 寝転び系・大きく動く種目を面で受け止められる。ほぼ据え置き前提 |
④ 重量は「持ち出すかどうか」だけで決まる
同じヨガマットでも、実際の重さは0.9kg〜2.1kgと2倍以上の開きがあります。厚さではなく素材の密度で決まるため、「厚い=重い」とも限りません。
家に敷きっぱなしなら重量は完全に無視して構いません。逆に、スタジオやジムに毎回持って行くなら、1kg台前半と2kg台の差は、週2回の往復で確実に体感されます。
ヨガマットおすすめ5選【4mm→15mmの厚さ順】
厚さは用途で決めるもの——という前提に沿って、薄い順に並べました。上に行くほど立位・持ち運び向き、下に行くほど寝転び系・据え置き向きです。
1. スリア HDエコマットプラス 4mm|立位と持ち運びに全振り
比較5製品で最も薄く(4mm)、最も軽い(約0.9kg)一枚です。ヨガブランド スリアの定番マットで、素材はTPE。
薄いマットの価値は「床の感触が消えないこと」に尽きます。片足立ちのポーズやピラティスのように、足裏や骨盤の位置を微調整しながら行う動きでは、4mmの手応えが正解になります。
構造面では、3層を接着剤・溶剤を使わない熱圧着製法で貼り合わせている点が特徴。TPEマットで敬遠されがちな使い始めのにおいを抑えています。サイズは183×61cmと、比較5製品のなかでは183cmと長め。厚さは最小でも、長さでは不足しない構成です。
2. Manduka PROlite ヨガマット 5mm|長く使う前提の本命
ヨガマットの定番として名前が挙がり続けているマンドゥカ。そのPROシリーズの軽量版がPROliteです。比較5製品ではレビュー評価4.86と最も高い評価を得ています。
5mmと数字は控えめですが、高密度で沈み込まないのがこのマットの性格です。薄いから硬い、のではなく、厚みを増やさずにクッションを確保しているという方向。ドイツ製で、公式ストアでは1年保証が付きます。
表面はクローズドセル加工。汗や水分がマット内部に浸透しないため、ホットヨガのあとも拭き上げるだけで済みます。
マンドゥカ公式は、製造過程で生じた油分が表面に残るため新品時は滑ると案内しており、使い始めのお手入れ(マット表面に塩をまいて24時間置き、濡れたタオルで拭き上げる/水を含ませたメラミンスポンジで擦って拭き上げる)を推奨しています。この一手間を飛ばして「思ったより滑る」と判断してしまうのがいちばんもったいないパターンです。
3. ヨガワークス ヨガマット 6mm|基準を作るための一枚
ヨガスタジオでもよく見かける、国内定番ブランドのスタンダードモデル。173×61cm・6mm・約1.3kgと、価格も重量もクッションも、どこにも極端に振れていない構成です。
「まだ何をやるか決まっていない」段階では、この6mmという厚さがいちばん外しません。立位でも極端にぐらつかず、膝立ちでも致命的に痛くない——という両側で及第点を取るポジションだからです。
素材はPVC(発泡タイプ)で、EN71 Part3基準クリア・AZO/DEHPフリーと素材面の情報も公開されています。長さが173cmと5製品で最短である点だけ注意してください。
身長170cm前後の人が173cmのマットに真っすぐ寝ると、余白は数cmしかありません。頭とかかとのどちらかがフローリングに出ることになります。立位ポーズやストレッチ中心なら問題になりませんが、仰向けの種目が多いメニューなら180cm以上の製品を選ぶほうが快適です。なお、公式はPVC特有のにおいについて「においに敏感な方にはTPE素材を推奨」と案内しています。
4. GronG ヨガマット 10mm|「厚いのに軽い」を成立させた宅トレ枠
ここから宅トレ寄りのゾーンです。GronGの10mmマットは、レビュー3,400件超と比較5製品で圧倒的に実績が多いモデル。
注目したいのは重量で、10mmという厚みがありながら約840gと、5製品で最軽量です。素材のNBR(ニトリルゴム)は同じ厚みでも軽く仕上がるため、「厚い=重い」という思い込みが崩れる一例になっています。
サイズは180×60cmで、腹筋・体幹トレ・ストレッチのように背中や肘が床に当たる動きでも、10mmが当たりを吸収します。収納ケースとキャリングバンドが付属するため、使わないときは丸めて立てておけます。
宅トレで最初に痛くなるのは、たいてい膝・肘・尾てい骨・背骨のいずれかです。10mmはこの4か所をまとめてカバーできるラインで、なおかつ片足立ちの安定も辛うじて残ります。ヨガもやるし筋トレもやるという人には、この厚さがちょうど中間点になります。
5. BARWING ヨガマット 15mm 90×200cm|面で受け止める大判・極厚
比較5製品で唯一の幅90cm × 長さ200cm × 厚さ15mm。標準マットが「体の下に敷く道具」だとすれば、こちらはトレーニングスペースそのものを作るサイズです。
幅90cmという数字がどれくらいかというと、標準の61cmに対して約1.5倍。腕を横に広げても、寝返るように動いても、手足がフローリングに落ちません。長さ200cmは、身長180cm台でも全身が収まります。
素材は高密度NBRで、厚さ15mmながら重量は約1.7kg。メーカーは防音・衝撃吸収と水洗い可を挙げています。
15mmは、立位ポーズでは明確に不利です。片足立ちのポーズは相当ぐらつきますし、スクワットのように床を踏み込む種目でも力が逃げます。また、幅90cm × 長さ200cmは畳んでも収納バンドでまとめても相応にかさばるサイズで、押し入れの一区画を占領する前提で考えたほうがいいでしょう。あくまで「寝転び系・関節をかばう用途に振り切った一枚」です。
販売チャネルによって長さ200cm表記と187cm表記のロットが確認できます。長さを重視して選ぶ場合は、購入前に商品ページのサイズ表記を確認してください。保証はメーカー標準で90日間、販売ストアによって延長される場合があります。
比較表|厚さ・素材・サイズ・重量
| 製品 | 厚さ | 素材 | サイズ | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| スリア HDエコマットプラス | 4mm | TPE(3層・接着剤不使用) | 183 × 61cm | 約0.9kg |
| Manduka PROlite | 5mm | PVC(クローズドセル加工) | 180 × 61cm | 約2.1kg |
| ヨガワークス ヨガマット | 6mm | PVC(発泡) | 173 × 61cm | 約1.3kg |
| GronG ヨガマット | 10mm | NBR | 180 × 60cm | 約840g |
| BARWING BW-YGM01 | 15mm | 高密度NBR | 200 × 90cm | 約1.7kg |
この表でいちばん注目してほしいのは、厚さと重量が比例していないことです。4mmのスリアが約0.9kgなのに対し、その倍以上厚い10mmのGronGは約840g。逆に、いちばん薄い部類の5mmであるManduka PROliteが約2.1kgで最重量です。重量は厚さではなく素材の密度で決まる——そしてその密度こそが、沈み込みにくさや耐久性の実体でもあります。軽いマットが良いマットとは限らず、重いマットが分厚いとも限りません。
用途別の早見表
| こんな人 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 立位ポーズ中心のヨガ/スタジオに毎回持って行く | スリア 4mm | 最薄4mm・最軽量0.9kgで床の感触が残る |
| 何年も使う前提で1枚だけ良いものを買いたい | Manduka PROlite 5mm | 高密度で沈まず、クローズドセルで汗に強い |
| まだ何をやるか決まっていない/最初の基準がほしい | ヨガワークス 6mm | 立位も寝転びも及第点。国内定番の標準仕様 |
| 宅トレ・腹筋・ストレッチが中心 | GronG 10mm | 膝・肘・背中をカバーしつつ約840gと軽い |
| 寝転び系が中心/床への衝撃と音を抑えたい | BARWING 15mm | 幅90×長さ200cmを15mmで面ごと確保 |
マットは「何をやるか」が決まると一発で決まるんだ。逆に言うとね、決まっていないうちに”厚さ”だけで選ぶと、あとで「立つと沈む」か「膝が痛い」のどっちかにぶつかる。まずは自分のメニューを思い浮かべて、床に当たるのが足裏なのか膝なのかを確かめてみて!
買う前に確認しておきたいこと
- マットを長期間敷きっぱなしにすると、フローリングとの間に湿気がこもります。時々めくって乾かすか、使用後は丸めて立てておくのが基本です
- 丸めて保管する場合、表になる面を外側にすると、次に敷いたときに端が浮きにくくなります
- 使い始めのにおいは、素材由来のものであれば数日〜1週間ほどの陰干しで大きく軽減します
- 集合住宅で床に響く種目をやるなら、マットの厚さだけに頼らず設置場所(床の構造・時間帯)もあわせて考えてください
宅トレの装備をこれから揃えるなら、マットの上に置くものも先に決めておくと配置で悩みません。以下の記事もあわせてどうぞ。
まとめ
ヨガマット選びで最初に決めるべきは、価格でもブランドでもなく「自分は床に何を当てるのか」です。
- 厚さは快適さの指標ではない。厚いほどクッションは増えるが、その分だけ足裏が沈んで立位が不安定になる
- 立位・持ち運び中心なら4〜6mm、宅トレ全般なら8〜10mm、寝転び系・衝撃対策なら12〜15mm
- 汗をかくならクローズドセル(拭くだけ・ただし濡れると滑る)、しっとりグリップが欲しいならTPE・PVC発泡
- 長さは身長+10cmが目安。173cmのマットは身長170cm超だと頭かかかとがはみ出す
- 厚さと重量は比例しない。10mm・840gのマットもあれば、5mm・2.1kgのマットもある
やることが決まっていない段階なら6mmを1枚。決まっているなら、迷わず極に振ったほうが満足度は高くなります。