- 商品名に大きく書かれた「最大24kg」「最大40kg」より先に確認すべき、本体の長さという寸法
- 「15段階」「27段階」という段階数が、そのまま使いやすさにならない理由
- 可変式ダンベル最大の制約=「落とせない」を前提にした重量の決め方
- ブロック型・ダイヤル式・プレート差し替え式まで、使い方別のおすすめ5製品
自宅トレーニングの中心になる道具といえばダンベル。なかでも1台で重さを変えられる可変式ダンベルは、固定式を何セットも買い揃えずに済むという一点だけでも導入する価値があります。
ところが商品ページを見比べていると、目に入るのは「最大24kg」「最大40kg」「15段階調節」「27段階調節」といった数字ばかり。どれも似たような見た目で、何を基準に決めればいいのか分かりにくいジャンルです。
結論から言うと、最大重量と段階数だけで選ぶと、高い確率で「置き場所」か「フォーム」でつまずきます。この記事では、実際に使ってから効いてくる基準を整理したうえで、タイプ別におすすめの5製品を比較しました。
やあ、ペンギンのシラベーだよ。可変式ダンベルはね、「①どの種目に使う?→ ②本体の長さは足りてる(長すぎない)?→ ③自分が伸ばしたい重量帯の刻みは?→ ④床とご近所は大丈夫?」の順に考えると失敗しないんだ。まずはいちばん見落とされている”長さ”の話からいこう!
可変式ダンベル選びで押さえる4つのポイント
① 最大重量より「本体の長さ」を見る
可変式ダンベルのカタログで、最大重量ほど大きく書かれていないのに、使い勝手をいちばん左右するのが本体の長さです。
理由はシンプルで、ダンベルを2本使う種目では、体の上で2本が近づくから。ダンベルフライで胸の上に下ろすとき、ダンベルプレスで肘を畳むとき、本体が長いほど早い段階で左右がぶつかったり、肩や胸に干渉したりします。
| 本体の長さ | 使用感 |
|---|---|
| 約36〜37cm | 取り回しが軽い。フライ・プレスで可動域を取りやすく、体格を選びにくい |
| 約43〜44cm | 一般的なジムのダンベルに近い長さ。高重量では自然だが、軽い重量のフライでは持て余すことがある |
ダイヤル式の一部は、設定した重量の分だけプレートを拾う構造のため、軽い設定にすると実際に持ち上がる部分が短くなります。軽い重量では短く、重い重量では長く——という挙動になるので、カタログ上の最大長だけを見て「長すぎる」と判断する必要はありません。一方、ストッパー差し替え式やピン式は、設定重量にかかわらず本体の外形が変わらないタイプが多くなります。
② 段階数ではなく「自分が伸ばしたい重量帯の刻み」で見る
「15段階」より「27段階」のほうが優れている、とは限りません。見るべきは段階数そのものではなく、その刻みが、自分が実際に使う重量帯にどう配分されているかです。
| タイプ | 刻みの特徴 |
|---|---|
| 均等刻み(例:2kg刻みで全16段階) | どの重量帯でも一定の幅で伸ばせる。伸び悩む重量帯でも同じ感覚で扱える |
| 段階数が多いタイプ | 刻みは細かいが、プレート構成によっては幅が一定にならないことがある |
| プレート差し替え式 | 手持ちのプレート次第。1.25kgプレートを左右に足せば片手2.5kg単位で刻める |
「刻みは細かいほど良い」わけでもありません。ダンベル種目の現実的な伸ばし幅は片手あたり2kg前後。それより細かい刻みは、あって困りませんが決め手にはなりにくい要素です。むしろ最小重量のほうが重要で、サイドレイズやリアレイズのような小さい筋肉の種目では2〜3kgから始めたい場面が普通にあります。最小重量が3kgを超える製品は、肩の種目でいきなり重すぎることがあるので確認しておきましょう。
③ 可変式ダンベルは「落とせない」
固定式のダンベルと決定的に違うのがここです。ブロック型もダイヤル式も、内部に調整機構を抱えているため床への落下は基本的に厳禁。メーカーの注意書きにも明記されています。
つまり、限界まで追い込んでそのまま床に手放すという使い方ができません。可変式ダンベルでは「最後の1回を潰れるまでやって放り出す」のではなく、必ずコントロールして下ろせる重量までにとどめる必要があります。
ベンチプレス系の種目でセーフティのない自宅環境では、そもそも潰れる直前まで追い込むこと自体が危険です。可変式ダンベルの最大重量は「自分がいつか挙げたい最大値」ではなく、2〜3年後にコントロールしながら扱えていそうな重さを目安に選ぶと過不足が出にくくなります。
④ 床・音・置き場所 ― 買う前に決めておく
可変式ダンベルは、2個セットで合計50〜70kgになります。これが常時、床の一点にかかり続けます。
- 厚さ10〜20mmのトレーニングマットを敷く(フローリングのへこみ対策)
- 置き場所を先に決める。付属台座は本体より一回り大きい
- 集合住宅なら、置く動作も含めて音が出る前提で時間帯を考える
- 台座が本体より広く、思ったより場所を取る
- 重量変更のたびに「台座に正しく戻す」動作が必要なタイプがある
- 2個セットは配送も重い。搬入経路と受け取り体制を確認しておく
ちなみに、ダンベルを買ったら次に欲しくなるのがトレーニングベンチだよ。床に寝てのプレスは肘が床に当たって可動域が取れないから、ダンベルの効きが半分くらいになっちゃうんだ。ベンチ選びはこっちの記事でまとめてあるよ!
可変式ダンベル おすすめ5製品 比較表
| 製品 | 方式 | 調整重量(1個) | 段階数 | 本体の長さ | 保証 |
|---|---|---|---|---|---|
| BARWING BW-KHDB24 | ブロック型(ダイヤル調整) | 2.5〜24kg | 15段階 | 約36cm | 2年 |
| MOTIONS MD-24PRO | ブロック型(グリップ回転式) | 2.5〜24kg | 15段階 | 約43cm ※台座含む | ― |
| FIELDOOR YS-A14652 | ブロック型(ストッパー差し替え) | 3.0〜40.5kg | 27段階 | 約37cm | 1年 |
| FLEXBELL 32kg | ダイヤル式 | 2〜32kg | 16段階(2kg均等) | 43.5cm | 1年(レビューで2年) |
| IROTEC ラバーダンベル60kg | プレート差し替え式 | 2.5〜30kg | プレート構成による | シャフト長は不変 | ― |
MOTIONS の約43cmは台座を含む寸法として公開されているため、他4製品の本体寸法とは同じ土俵での比較になりません。方式が違うと「長さ」の測り方も変わるので、比較表の数字は目安として見て、最終的には自分が使う種目(フライをやるか、プレス中心か)で判断してください。これも「数字の大小=優劣ではない」典型例です。
① BARWING 可変式ダンベル 24kg 2個セット(BW-KHDB24)
本体サイズは1個あたり約W36×D17×H17cm。今回比較した中でもっとも短いブロック型です。ダンベルフライで胸の上に下ろしたときの干渉が少なく、体格を選びにくいのが強みです。
調整は2.5kg〜24kgを15段階、おおむね1.5kg刻み。ダイヤルを回すだけで数秒で変更できます。組立は不要で、届いたその日から使えます。
もう一つ見逃せないのが2年保証。可変式ダンベルは内部に調整機構を持つぶん、固定式より故障の可能性がある道具です。今回の比較5製品では、保証期間が明示されているものの中で最長でした。
ブロック型に共通しますが、台座に戻すときは所定の位置に正しく置く必要があります。ずれた状態でダイヤルを回すとプレートが噛まないことがあるため、慣れるまでは意識して置きましょう。
② MOTIONS 可変式ダンベル PRO グリップ回転式 24kg 2個セット(MD-24PRO)
今回の比較で唯一、グリップにローレット加工(金属表面のギザギザ加工)を採用しています。ジムのバーベルと同じ処理で、手汗をかいた状態や高重量でも手の中で滑りにくいのが特徴です。グリップ径は32mm。
可変式ダンベルは、多くの製品でグリップが樹脂やスチールのつるりとした仕上げになっています。軽い重量なら問題ありませんが、20kg級のロウやデッドリフト系の種目では、握力より先にグリップの滑りが限界になることがあります。ここを解消しにいったのが本機です。
同じMOTIONSにはダイヤル回転式の標準モデルもあり、本機はグリップ側を回して重量を変える「グリップ回転式」。調整重量は2.5kg〜24kgの15段階です。
公開されている約W43×D21×H23cmは台座を含む寸法です。設置スペースの計算には使えますが、①のBARWINGの本体寸法とそのまま比べられる数字ではない点に注意してください。またローレット加工は滑りにくい反面、素手で高回数をこなすと手のひらが荒れやすいため、グローブとの併用が快適です。
③ FIELDOOR 可変式ダンベル 40.5kg 27段階 2個セット(YS-A14652)
調整幅は3.0〜40.5kgを27段階。それでいて本体サイズは1個あたり約W37×D21.5×H20cmと、24kgクラスのBARWINGとほぼ同じ長さに収まっています。重量と長さの両立という点で、比較5製品の中では独特のポジションです。
調整方式はストッパーの差し替えで、所要時間は約5秒。ダイヤル式ほど一瞬ではありませんが、プレート差し替え式とは比べものにならない速さです。セット内容はハンドル芯・ストッパー・ブロックプレート8枚、保証は1年。
長く使うことを考えたとき、上限が40.5kgあることの意味は大きいと言えます。24kgモデルは自宅では十分ですが、ダンベルロウやブルガリアンスクワットのような下半身・背中の種目では、2〜3年続けると上限に届く人が出てきます。
本体重量が1個あたり約40.5kgあるため、持ち上げて棚に載せるような収納には向きません。床置き前提で場所を確保してください。またレビューでは、従来のスクリュー式ダンベルと重心の感覚が違う点、使用時にわずかなカタつき音が出る点が指摘されています。
④ FLEXBELL(フレックスベル)2kg刻み 32kg 2個セット
スウェーデンのNUO Athleticsが開発した可変式ダンベルで、日本正規代理店はライシン。今回の比較で唯一、全域が均等な2kg刻みです。2/4/6/8/10/12/14/16/18/20/22/24/26/28/30/32kgの16段階が、どこを取っても同じ幅で並びます。
②で触れたとおり、可変式ダンベルはプレート構成の都合で刻みが一定にならないことがある方式です。「重量帯によらず同じ感覚で伸ばせる」というのは、地味ですが長く使うほど効いてくる性質と言えます。
本体サイズは1個あたりW43.5×D18×H17cm、本体重量33.4kg、シャフト径32mm。長さは比較5製品で最長ですが、設定重量に応じて実際に持ち上がる長さが変わる構造のため、軽い設定では短く扱えます。
レビューは今回調べた範囲で389件・4.87と、比較5製品で最多かつ最高評価。実績という点では頭ひとつ抜けています。保証は1年で、レビュー投稿により2年に延長されます。
メーカーが明確に落下厳禁としています。また使用前に各部の緩みを確認するよう案内があります。精密な機構を持つぶん、扱いはていねいに。予算面でも今回の5製品では上位に位置します。
⑤ IROTEC ラバーダンベル60kgセット(30kg×2個)
1.25kg×4枚、2.5kg×4枚、5kg×8枚、シャフト2.5kg×2本で合計60kg。シャフト径28mm、プレート穴径29mm、スクリューカラーでプレートを固定する昔ながらの方式です。1個あたり最大30kg、最小はシャフトのみの2.5kg。
調整に手間がかかるのは間違いありません。ただしこの方式には、ブロック型にない2つの利点があります。
- プレートを買い足せば上限を伸ばせる(買い替え不要)
- シャフト長が重量で変わらず、軽い重量でも扱いが一定
- 調整機構がないぶん構造がシンプルで壊れにくい
- 1.25kgプレートで片手2.5kg単位の微調整ができる
- 重量変更に時間がかかる(種目ごとに変えるのは現実的でない)
- プレートの置き場所が別途必要になる
- カラーが使用中に緩むことがある
- ラバーリングは自分で装着する
販売ページのレビューではカラーの緩みが繰り返し指摘されており、スプリングカラーの併用が推奨されています。またラバーには製造時の油分が残っていることがあり、開梱後の洗浄が案内されています。表記重量にも個体差があるとされているため、絶対値での重量管理には向きません。北海道・沖縄は追加送料がかかります。
用途別 早見表
| こんな人に | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| はじめての可変式ダンベル | BARWING BW-KHDB24 | 本体が最も短く取り回しが軽い。組立不要・2年保証で迷いどころが少ない |
| 手汗・握りの滑りが気になる | MOTIONS MD-24PRO | 唯一の32mmローレット加工グリップ。背中の種目で効く |
| 数年続ける前提で上限に余裕が欲しい | FIELDOOR YS-A14652 | 40.5kgまで伸ばせて本体長は約37cm。重量と長さの両立 |
| 迷っている/長く使う1台が欲しい | FLEXBELL 32kg | 全域2kg均等刻み。レビュー実績も最厚 |
| 拡張性と構造の単純さを重視 | IROTEC ラバーダンベル60kg | プレート追加で上限を伸ばせる。壊れる機構がない |
どれを選んでも共通で言えるのは「床対策だけは先にやっておこう」ってこと。50〜70kgが一点にかかり続けるから、マットなしのフローリングは高確率で跡が残るんだ。それと、トレーニング後のケアも忘れずにね!
まとめ
- 最大重量より先に本体の長さを見る。長いほどフライやプレスで干渉しやすい
- 段階数は多いほど良いのではなく、自分が伸ばしたい重量帯の刻みが大事。最小重量も要確認
- 可変式ダンベルは落とせない。最大重量は「潰れる重さ」ではなく「下ろしきれる重さ」で選ぶ
- 2個で50〜70kg。マットと置き場所は買う前に決めておく
可変式ダンベルは、スペック表の数字がいちばん当てにならないジャンルのひとつです。「最大40kg・27段階」と「最大32kg・16段階」を並べると前者が優れて見えますが、実際の使い勝手を決めるのは長さ・刻みの配分・最小重量・グリップといった、大きく書かれていない項目のほうでした。
迷ったら、まず自分がやりたい種目を3つ書き出してみることをおすすめします。フライやプレスが中心なら短さ、ロウやスクワット系が中心なら上限とグリップ——というように、種目が決まれば見るべき項目は自然に絞られていきます。