外付けSSDの速度はどう違う?Gen1・Gen2・Gen2x2の差と速さが出ない原因

この記事でわかること
  • 外付けSSDの「USB 3.2 Gen1/Gen2/Gen2x2」が、転送速度でどれだけ違うか
  • 10GB・100GB・500GBをコピーしたときの、待ち時間の目安
  • Gen2のSSDを買ったのに速くならない、よくある5つの原因
  • バックアップ・動画編集・PS5・TV録画、用途ごとに「どこまでの速度が要るか」

外付けSSDのスペック表には「最大1,050MB/s」「USB 3.2 Gen2」といった数字と記号が並びますが、それが自分の使い方で何秒の差になるのかは、なかなか見えてきません。この記事では規格の読み方を整理したうえで、速度の差をコピー時間に置き換え、「速いはずなのに速くない」ときの原因まで順番に確認していきます。

結論
写真・書類のバックアップやTV録画なら、Gen1(読込 約430MB/s)で足ります。動画編集や数十GB単位の出し入れを繰り返すなら、Gen2(約1,000MB/s)で待ち時間がおよそ半分以下になります。
Gen2x2(約2,000MB/s)は対応するUSBポートを持つPCがまだ少なく、非対応のPCやMacでは10Gbps(Gen2相当)に下がります。買う前に「つなぐ側のポート」を確認してください。

やあ、ペンギンのシラベーだよ。SSDの速度はね、SSD本体・ケーブル・PCのポートのうち「いちばん遅いところ」で決まるんだ。だから数字の大きいSSDを選ぶ前に、自分のPCがどこまで出せるかを知っておくのが近道だよ。


「Gen1・Gen2・Gen2x2」は何が違う?数字の読み方

外付けSSDの速度の上限を決めるのは、USBの規格です。同じ速度の規格が何度も名前を変えてきたため分かりにくいので、まず対応表にまとめます。

現在の呼び名旧称(スペック表でよく見る表記)規格上の上限製品の公称速度の目安
USB 5GbpsUSB 3.2 Gen1(=USB 3.1 Gen1=USB 3.0)5Gbps(単純換算で約625MB/s)読込 約430MB/s
USB 10GbpsUSB 3.2 Gen2(=USB 3.1 Gen2)10Gbps(約1,250MB/s)読込 約1,050MB/s
USB 20GbpsUSB 3.2 Gen2x220Gbps(約2,500MB/s)読込 約2,000MB/s

ポイントは3つです。

まず、「USB 3.0」「USB 3.1 Gen1」「USB 3.2 Gen1」はすべて同じ5Gbpsです。規格の版が上がるたびに名前が付け直されただけで、速度は変わっていません。2022年に規格団体のUSB-IFが「USB 5Gbps」「USB 10Gbps」のように速度そのものを名前にする表記へ改めたため、新しい製品ではエレコムのように「USB 5Gbps(USB 3.2 Gen1)」と併記されることが増えています。

次に、規格上の上限と製品の公称速度は別物です。通信の制御に使われる分が差し引かれるうえ、SSD本体の読み書き性能にも上限があるため、Gen1の製品は読込430MB/s前後、Gen2の製品は1,050MB/s前後が公称値の相場になっています。

最後に、Gen2x2は10Gbpsの通り道を2本束ねる方式で、USB-C端子専用です。USB-Aの端子や変換アダプターでは使えず、ケーブルもUSB-C to USB-Cである必要があります。


体感はどれだけ変わる?コピー時間で比べる

速度の数字を、実際の待ち時間に置き換えてみます。「ファイルの容量 ÷ 転送速度」の単純計算で、書込速度にはGen1は約400MB/s、Gen2は約1,000MB/s(いずれも後半で紹介する製品の公称値)を使っています。

コピーするデータGen1(約400MB/s)Gen2(約1,000MB/s)
スマホの写真・動画 10GB約25秒約10秒
旅行の4K動画 100GB約4分10秒約1分40秒
PCの丸ごとバックアップ 500GB約21分約8分20秒

実際のコピーは、細かいファイルが大量に混ざる・書込が長く続くといった理由でこれより時間がかかります。絶対値ではなく、差の比率の目安として見てください。

ここから分かるのは、10GB程度のやり取りなら、Gen1とGen2の差は十数秒だということです。週に1回のバックアップ、TV録画、写真の保管が中心なら、Gen1で困る場面はほとんどありません。

逆に、動画編集の素材を外付けSSDに置いたまま編集する、毎日数十GBを出し入れするという使い方では、1回あたり数分の差が毎日積み重なります。この場合はGen2を選ぶ価値があります。

用途別・必要な速度の目安
  • Gen1で十分:書類・写真のバックアップ、TV録画、PS4ゲームの保存、たまに持ち運ぶデータ
  • Gen2が快適:動画編集の作業ドライブ、RAW写真の大量現像、毎日の大容量コピー、PCの常設ストレージ
  • Gen2x2・USB4を検討:4K/8KのRAW動画をSSD上で直接編集する用途。ただしPC側のポートが対応していることが前提

「速いSSDを買ったのに速くない」5つの原因

① PC側のUSBポートがGen2に対応していない

いちばん多い原因です。SSDがGen2でも、つなぐポートがGen1(5Gbps)なら、速度の上限は5Gbps側で決まります。ノートPCでは同じUSB-Cの形でもポートごとに対応規格が違うことがあるので、PCの仕様表で「USB 3.2 Gen2」「10Gbps」の記載を確認してください。

② Gen2x2は、ほとんどのPCとMacで10Gbpsに下がる

Gen2x2(20Gbps)に対応するポートは、デスクトップ向けの一部マザーボードなどに限られます。MacはGen2x2に対応していないため、USB4やThunderboltのポートに2,000MB/s級のSSDをつないでも、10Gbps(Gen2相当)に下がります。USB4/Thunderbolt 4の仕様ではGen2x2への対応が任意扱いで、対応ポートは多くありません。40Gbps級の速度が必要なら、Gen2x2ではなくUSB4対応と明記されたSSDを選ぶほうが確実です。

③ ケーブルや変換アダプターがボトルネックになっている

付属のケーブルをそのまま使うのが基本です。充電用の細いUSB-Cケーブルの中にはデータ通信がUSB 2.0(480Mbps)のものがあり、挿さるのに極端に遅い、という状態になります。付属のUSB-C to Aケーブルや変換アダプターでも、PC側のUSB-AポートがGen2対応なら10Gbpsで使えます。

④ USBハブやドッキングステーションを経由している

ハブ自体の対応規格が上限になるうえ、同じハブにつないだ機器と帯域を分け合います。速度を測るときや大容量をコピーするときは、PC本体のポートに直接つないでください。PS5も拡張ストレージはハブ経由では接続できません。

⑤ 大容量を書き込み続けると、途中から遅くなる

SSDは内部の一部を高速な一時領域(キャッシュ)として使っていて、連続で大量に書き込むとこの領域を使い切り、その先は速度が落ちます。さらに長時間の転送で温度が上がると、保護のために性能を抑える動作が入ります。数百GBを一気に書き込む用途では、放熱を考えた外装の製品(後述のT7 Shieldなど)が有利です。

「SSD・ケーブル・ポート・ハブ、ぜんぶGen2」で初めて1,000MB/s級が出るんだ。1か所でもGen1が混ざると、そこが上限になる。速くならないときは、この5つを上から順に疑ってみてね。


速度で見る、おすすめ5製品の位置づけ

親記事「壊れにくい外付けSSDおすすめ5選」で比較した5製品を、速度だけで並べ直すと次のようになります。

製品規格公称速度(読込/書込)端子・付属品
BUFFALO SSD-PUT500U3Gen1(5Gbps)約430MB/s/非公表USB-A直挿し
エレコム ESD-ERC1000GBKGen1(5Gbps)最大430MB/s/最大400MB/sUSB-A直挿し
SanDisk Extreme 1TB(SDSSDE61)Gen2(10Gbps)最大1,050MB/s/最大1,000MB/sUSB-C(C to Cケーブル+C to Aアダプター)
Samsung T7 1TBGen2(10Gbps)最大1,050MB/s/最大1,000MB/sUSB-C(C to C・C to Aケーブル)
Samsung T7 Shield 1TBGen2(10Gbps)最大1,050MB/s/最大1,000MB/sUSB-C(C to C・C to Aケーブル)

Gen2の3台は、公称速度では横並びです。差が出るのは速度ではなく、落下や水濡れへの強さと、長時間の転送での放熱のしかたです。耐久性を含めた選び方は、親記事で5製品を比べています。

ここでは「速度」の観点で、3つの使い方に1台ずつ挙げておきます。

Gen1で足りる人の1台:エレコム ESD-ERC1000GBK

バックアップ・TV録画・PS4ゲームの保存が中心なら、Gen1で十分です。エレコムのESD-ERC1000GBKはUSB 5Gbps(USB 3.2 Gen1)で読込最大430MB/s・書込最大400MB/s。USB-A直挿しのキャップ式で約11gと軽く、少し前のPCやテレビにそのままつなげます。USB-CしかないノートPCにつなぐには変換アダプターが必要な点だけ注意してください。

Gen2の定番:Samsung Portable SSD T7 1TB

動画や大容量データを日常的に動かすなら、Gen2の定番であるT7が候補になります。USB 3.2 Gen2(10Gbps)で読込最大1,050MB/s・書込最大1,000MB/s。C to CとC to Aの2本のケーブルが付属するので、USB-CのノートPCにもUSB-AのデスクトップPCにも、変換なしで10Gbpsでつなげます。

大容量を続けて書き込むなら:Samsung Portable SSD T7 Shield 1TB

速度はT7と同じ読込最大1,050MB/s・書込最大1,000MB/sですが、ラバー外装で熱を抑え、大容量ファイルの転送時も性能を安定させる設計になっています。動画撮影の素材を数百GB単位で書き込む使い方や、IP65の防塵防水が欲しい屋外用途なら、こちらを選ぶ理由があります。


PS5・TV録画に必要な速度は?

PS5のUSB拡張ストレージの要件は、SuperSpeed USB 5Gbps以降・容量250GB以上8TB以下・本体のUSB端子に直接接続(ハブ不可)です。つまりGen1のSSDでも要件は満たします。ただし、PS5のゲームはUSB拡張ストレージに保存できてもそこから直接プレイすることはできず、遊ぶときは本体ストレージへ戻す必要があります。PS4のゲームはUSB拡張ストレージから直接プレイできます。拡張ストレージをつなぐPS5のUSB端子はSuperSpeed USB 10Gbpsなので、Gen2のSSDなら本体へ戻す転送も規格上は速く行えます。

テレビ録画は、放送のデータ量が1秒あたり数MB程度と小さいため、Gen1でも速度に大きな余裕があります。速度よりも、テレビ側の「録画対応の外付けSSD」の条件や、USB-A端子で直挿しできるかを確認するほうが重要です。


まとめ

  • Gen1(5Gbps)は読込約430MB/s、Gen2(10Gbps)は約1,050MB/s、Gen2x2(20Gbps)は約2,000MB/sが製品の公称値の目安
  • 10GBのコピーで差は十数秒。バックアップ・TV録画・PS4ゲーム保存ならGen1で足りる
  • 動画編集や毎日の大容量コピーは、Gen2で待ち時間がおよそ半分以下になる
  • Gen2x2はMacや多くのPCで10Gbpsに下がる。40Gbps級が必要ならUSB4対応のSSDを
  • 速度が出ないときは「ポート → ケーブル → ハブ → 連続書込の速度低下」の順に疑う

外付けSSDの速度は、SSD・ケーブル・PCのポートのうち、いちばん遅いところで決まります。自分のPCのポートが何Gbpsまで出せるかを先に確認し、そのうえで「10GBを何回動かすか」を思い浮かべれば、Gen1で十分なのか、Gen2に払う価値があるのかは自然に決まります。

PC周辺機器をまとめて見直したい人は、デスク環境全体の選び方をこちらのガイドにまとめています。