筆者はシリコンバレーでベンチャーキャピタルを運営しているアニス・ウッザマンである。
日本の大学を卒業した後に、アメリカで修士、日本で博士を取得し、その後IBMへの就職後、シリコンバレーのベンチャーキャピタルを設立したという日本とも関わりが深い。
スタートアップという言葉自体は、ようやく日本でも聞き慣れて来た感じがするが、そもそもベンチャービジネスという言葉自体が和製英語であると言われている。(出所:Wikipedia)
これは、ちょっと余談でした。
はじめに感想を述べると、シリコンバレーの起業(Strat up)と日本の起業では、その周囲を取り巻く環境や考え方があまりに違う事に驚かされる。
そして、この書籍ではシリコンバレーにおけるStartupのノウハウが一から書かれている。
ただ、全体の流れをつかむのには最適であるが、より細かい内容を知りたい方には多少物足りないかもしれない。
この本では、いきなりチームの作り方から始まるのに驚かされる。
筆者も本書で度々、投資する決めてになるのがチームであると述べていることから、それだけ重視されているものであることが
本著の構成からみても伺える。
この書籍で良いと思った点は、スタートアップするための各ステップに具体的な企業の実例を紹介しながら説明が加えられている点である。
特に、最近のスタートアップ企業のジャンルや傾向の話は参考になった。
シリコンバレーでスタートアップするための考え方。それは「身近な問題をみつけ、それを解決する方法を考える。」という事である。
本著でもそれは述べられているが、実際にシリコンバレーでスタートアップに関わっている人の多くが同じ点に触れている。
この考え方は、今後日本のベンチャー企業の設立にも浸透してくる考え方であろう。
また蛇足になるが、日本は技術力でアメリカなどの先進国に追いつき、もはや海外の技術を真似するだけでは不十分になったと言われている。
(課題先進国になり、もはや直面する問題の解決策はみずから見つけなくては行けなくなった。)
しかし、こういったStartupの仕組みについては未だにアメリカの真似をせざるを得ないのが現状のように感じているのは私の見解である。
日本がただアメリカに憧れ、アメリカの真似をするのではなく、自らで道(未知)を切り開くようになるのが理想的である。
話がそれてしまったが、本著では資金調達などの方法も述べている。これは日本で起業する分にも充分役立つ考え方であるので、広く視野を持つべき起業家には必読の1冊であると言える。