シリコンバレーで世界的スタートアップ企業が生まれる10の理由

シリコンバレーが何となく、凄そうというのは聞いていたけど、一体何が凄いのか、そして今でもアツい場所なのかが知りたくてシリコンバレーに行ってきた。

そもそもシリコンバレーという名称は、この地域に多くの半導体メーカーが集まっていたことに由来する。
その後GoogleやFacebookなどのIT産業の発展とドットコムバブルにより、ハイテク産業地域としての地位が確立されたのだ。

今でも多くの起業家達がこの地域にに集まり、果てないエネルギーをスタートアップに注いでいるのだ。
(日本ではベンチャー企業という言葉が一般的だが、アメリカではスタートアップ企業と呼ばれる方が多い。)

揺るぎない事実として、世界に名を轟かせる大企業がここから生まれ続けているのは注目に値する。
それでは、なぜシリコンバレーに多くの起業家は集まり、これだけの企業が成功を収めたのだろうか。

その10の理由を考えてみよう。

理由1:起業するのが当たり前という風土

日本人は横並びの人生を歩むことで安心を感じる。終身雇用が浸透している日本では、その仕組みを出てまで、チャレンジする風土がない。そういう人は変わりものというレッテルが貼られ、社会からの落伍者のように見られる。

しかし、シリコンバレーではスタートアップをする人は、チャレンジする人として当たり前のように思う風土がある。スタートアップしない人達も、彼らは日々チャレンジし、成長し続けなければ、社会で生き残って行くことは出来ない。シリコンバレーでは実力がなければ首になるというのは日常茶飯事である。そんな彼らにとって、スタートアップというチャレンジは自分を高める行為としてごく当たり前なのだ。

理由2:起業家を支援するネットワークがある。

シリコンバレーできて以来、多くのスタートアップが生まれたが故、シリコンバレーには、起業家支援のネットワークが形成されている。このシリコンバレー独特エコシステムには、資金を提供するベンチャーキャピタルや弁護士、税理士、そしてスタートアップを支援する先輩たちなどの協力がある。

このネットワークがスタートアップがその後成功しやすくなる流大きな要因である。

理由3:しがらみがない

日本では、出身大学で人が判断される。以前ほどではないにしても、日本人は肩書きに弱いというのは読者の皆様も感じるところではないだろうか。

しかし、シリコンバレーでは出身大学ではなく、その人がどういうことができるのかが最も重視される。

日本では年を取ってスタートアップすると、チャレンジするのに老い過ぎていると判断され、消極的にとらわれがちだが、シリコンバレーでは、年齢よりも、その人が何ができるのかが重視される。

もちろん全ての人が年齢を気にしないわけではないだろうが、あらゆる人にチャレンジする土壌が整っているのがいいところだ。

理由4:失敗が受け入れられる土壌がある。

スタートアップには失敗はつきものである。日本では一度失敗してしまうと、能力が無いと思われたり、失敗者という烙印が押され、再度スタートアップしにくい。

一方シリコンバレーでは、失敗することに周囲の人間は寛容である。彼らは大きな成功が失敗の裏で成り立つことを知っているのだ。

あるベンチャーキャピタリストは、2回以上事業に失敗した人でないと出資しないという例もあるらしい。

こういった失敗への寛容さが、シリコンバレーでスタートアップが多い大きな要因だろう。

理由5:優秀な人材が集まっている。

エネルギーがあるところには人が集まる。
そもそもシリコンバレーには西のハーバードとも言われるスタンフォード大学があり、多くの優秀な人材が排出されている。
さらに、世界中から多くのエンジニアが集まっている。特にここ最近ではIT関連を中心にプログラマーが増えている。

理由6:ベンチャーキャピタルなどの豊富な資金が集まっている。

シリコンバレーを支える大きなプレイヤーがベンチャーキャピタルである。そして、シリコンバレーにはこのベンチャーキャピタルが極端に一カ所に集中しているのだ。
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ベンチャーキャピタルが集まっているSandhill。この一つ一つがベンチャーキャピタルである。

理由7:全てがコンパクトにまとまっている。

移動するのはほとんどが15分以内。というのはこの近辺ではよく言われる。それは、アメリカ自体が車社会であり、かつ、ハイウェイが整備されている。シリコンバレー内のエリアは広いが、実際にかかる時間は少ない。そのため、仕事上で失う時間的な損失が少ないのである。

実際に移動してみると分かるが、結構な範囲をストレスなく、素早く移動できるのに驚く。 東京では都内であっても移動に30分はざらにかかる。

理由8:変化するスピードが速い。世の中の変化を最も敏感に反応している。

シリコンバレーではあらゆる物事がスピーディーに動く。シリコンバレーでは、年間1万7000社が生まれ、1万社がつぶれる。
昨日まで新しかったサービスは、3ヶ月後に新しいサービスかどうかは分からない。Facebookであっても一年後どうなっているか分からない。それがシリコンバレーである。

だからこそスタートアップ企業は敏感に変化を感じ取る。Facebookがこれまで生き残ってきたのも、素早い市場の変化に敏感に反応してきたからである。
Appleがここまで成功した企業になったのは、ユーザーのニーズを素早く製品に取り込み続けたからである。このスピード感こそ、スタートアップが大きく成長していくキーになるのである。

理由9:起業家同士のネットワークが強く、新しいアイデアが生まれやすい。

シリコンバレーは、エリアだけみるとかなり広いが、車での移動の便宜さを考えるとかなり狭い地域に企業が集中しているのが分かる。

第2のシリコンバレー

多くの国や地域が、第2のシリコンバレーを作ろうとやっきになっている。私は個人的に、第2のシリコンバレーなんてものは日本に作らなくていいと思う。その意図は、いつまでの日本はアメリカの真似をする必要はないと思うからである。真似をしようとしている限り、本場には勝てないだろう。

今回のシリコンバレー訪問で感じたのは、シリコンバレーの考え方は、アメリカの文化や思想にぴったり合致しているということだ。おそらく同じ様な地域を作ろうと思っても、かなり難しいだろう。

日本でもしシリコンバレーを作りたいのならば、最初から日本の文化と思想にマッチしたオリジナルの地域を作る方がいいだろう。日本人はかつては、ソニーなどメイドインジャパンは世界が憧れた国だったのだ。